雪の夜の裏通りで、湯気の立つラーメン店の前に立ち、笑顔で手に息を吹きかけて温めるニット帽と赤いマフラーの旅行者。そばに自販機と雪に埋もれた自転車

札幌 / 宿

札幌の宿は、夜をどこで終えるかで決める

札幌の宿札幌の宿

深夜2時まで開くラーメン屋で夜を締めるなら、泊まるのは札幌駅の近くではなく、すすきのにしてください。すすきのから札幌駅方面への最終の地下鉄は0時14分。駅へ向かう520mの地下通路も、0時30分(24時30分)で閉まります。少しおかしいのは、雪のために造られた暖かい帰り道が、いちばん使いたい深夜にだけ閉まることです。この通路が造られたのは、都心が1年の半分を雪に覆われるからでした。

昼間なら、中心部のどこに泊まっても損はしません。札幌駅とすすきのは1.2km、地下鉄南北線で3分で、大通はそのあいだの、どちらからも1駅の場所です。だから泊まるエリアは、一日の始まりではなく終わりで選んでください。夜が遅いならすすきの、朝の列車が早いなら札幌駅。そして余裕があれば、1泊は温泉町の定山渓へ。通りのお湯は、夜中も閉まりません。

3分の距離は、真夜中まで

札幌の中心を、1本のまっすぐな線だと考えてください。北の端が、空港からの列車が着く札幌駅。地下を南へ歩くと、街の真ん中に公園がある大通。さらに進むと、光る看板がビルの上まで積み重なった夜の街、すすきのです。

その道のりの大半は、雪の下を歩けます。札幌駅前通地下歩行空間「チ・カ・ホ」は、札幌駅から大通まで約520mで、地上への出入口が15か所あります。私が意外だったのは、運営者が通路を造った理由を、はっきり天気で説明していることです。1年の半分を雪が覆う都心を、四季を通じて安全に歩けるように。そして札幌駅周辺と大通・すすきのを、地下でつなぐために。

ただ、頼りにする前に、通路の時間は確かめておいてください。開くのは5時45分、閉まるのは24時30分(0時30分)で、それ以外の時間は誰も通れません。地下鉄はそれより少し早く終わります。すすきのから札幌駅方面の最後の2本は0時05分と0時14分で、平日も土日祝日も同じです。それを逃すと、地下鉄なら3分の道のりが、歩くかタクシーになります。

だから考えるべきなのは、どのエリアが素敵かではありません。線のどちらの端で朝を迎えたいか、です。

夜がすすきので終わるなら、すすきのに泊まる

すすきので夜を過ごすなら、食べる時間は遅くなります。ジンギスカンのカウンター「だるま」は朝5時まで。1951年に8軒から始まったラーメン横丁の「天鳳」は、月曜から土曜は深夜2時まで。夜パフェの店のひとつ「幸せのレシピ」は、ラストオーダーが2時です。ジンギスカンから最後の一杯までの流れは、すすきのの夜の記事にまとめました。

真夜中を過ぎてもどこかのカウンターにいるつもりなら、すすきのの宿を取れば、夜の終わりは短い散歩で済みます。0時14分の電車を逃すと、駅の近くの宿までは1.2kmの路上です。それも、冬なら雪の札幌の路上です。

大雪の札幌の通り。白くかすむ中を車がゆっくり進んでいる

候補にしたい宿:スーパーホテル札幌・すすきの。 すすきの駅から徒歩約3分。館内に天然温泉「空沼の湯」があり、お湯は支笏湖・空沼岳の常盤温泉から運んでいます。入浴できるのは15時から翌朝9時までで、男女別です。ホテルの時間というより、すすきのの時間に合わせたような入浴時間で、1時半にラーメンを食べ終えてからでも入れます。

昼に街を出るなら、駅に泊まる

上から見た札幌駅。手前に何本もの線路が並び、後ろに高いJRタワーがそびえている

空港からの列車が着くのも、帰りに乗るのも札幌駅です。新千歳空港への快速エアポートは最速37分、特別快速なら33分で、9時から16時までは1時間に6本あります。夕暮れの運河を見に小樽へ行く快速は、最速32分です。小樽は日没の直後に運河へ着くのがおすすめです。

朝の飛行機、小樽への日帰り、重いスーツケース。どれかに当てはまるなら、すすきのではなく駅の近くに泊まってください。朝の移動が短く済み、冬でも5時45分からは、地上の店がまだ開かないうちに地下を歩いて大通まで行けます。

候補にしたい宿:JRタワーホテル日航札幌。 札幌駅直結で、地上約100mの高層階に天然温泉があり、街を見渡せます。空港からの列車を降りたら、外に出ずにそのまま、駅とつながったタワーの上のお湯へ向かえます。

真ん中がいいなら大通

晴れた日の大通公園。木々と散策路を歩く人たち、奥にさっぽろテレビ塔

大通に泊まれば、札幌駅にもすすきのにも1駅です。時計台は大通駅から徒歩約5分で、そこから南へ、二条市場を抜けて狸小路まで歩けます。初日の朝は、時計台から始める散歩をどうぞ。

夜ごとに、遅い夜と早い朝を分ける旅なら、大通を選んでください。どちらの端へも、1駅より遠くなることはありません。

候補にしたい宿:ホテルビスタ札幌[大通]。 地下鉄南北線の大通駅から徒歩約5分。浴室・トイレ・洗面がそれぞれ独立しています。

定山渓は、最終バスのあとのために1泊で

雪の深い渓谷の上に温泉ホテルの建物が並ぶ、冬の定山渓

札幌からバスで約1時間、渓谷の温泉町・定山渓は、日帰りでも行けます。時刻表も夜まで付き合ってくれて、札幌へ戻る一般の路線バスの最終は21時の少し前です。

バスがなくなったあとの町まで味わいたいなら、泊まってください。大通りのかっぱの手湯は24時間使え、日帰りの人が帰ったあとも、通りのお湯は無料のままです。行く前に、手湯と温泉たまごの源泉の使い方を読んでおいてください。

候補にしたい宿:定山渓 鹿の湯。 1897年(明治30年)10月、札幌の名士14人の出資で開業し、戦争や、全焼した火災をくぐり抜けて、いまも続いています。それほど古い宿が、いまも自前の無料送迎バスを札幌駅から出しています。完全予約制で、札幌駅北口を15時に出て約1時間、帰りは翌朝10時に宿を出ます。かっぱライナー号の最終に縛られない時刻です。宿のページには、新千歳空港から直通の高速バス(約95分)も載っています。

出かける前に

札幌駅〜すすきの地下鉄南北線で3分・1.2km。あいだに大通。すすきの発・札幌駅方面の最終は0:05と0:14(平日・土日祝日とも)
チ・カ・ホ(地下歩行空間)札幌駅〜大通 約520m。5:45〜24:30(それ以外の時間は通行不可)
新千歳空港〜札幌駅JR快速エアポートで最速37分(特別快速は33分)。9時〜16時は1時間に6本
札幌駅〜小樽JR快速で最速32分
札幌〜定山渓かっぱライナー号(予約制)で約60分・上り下りとも1日11本。札幌駅発の最終16:00、定山渓車庫前発の最終17:06(2026年10月1日改正)。一般の路線バス快速8:定山渓車庫前発の最終は平日20:48・土日祝20:40(2026年10月18日確認)
スーパーホテル札幌・すすきのすすきの駅から徒歩約3分。天然温泉15:00〜翌9:00・男女別。チェックイン15:00、チェックアウト10:00
JRタワーホテル日航札幌札幌駅直結。地上約100mの高層階に天然温泉
ホテルビスタ札幌[大通]南北線大通駅から徒歩約5分
定山渓 鹿の湯1897年開業。無料送迎バス(完全予約制):札幌駅北口15:00発・約60分、宿発10:00。満席や運休の日もある

2026年9月30日に確認。宿泊料金は夜ごとに変わるため載せていません。

私ならどこに泊まるか

最初の数泊はすすきのにして、最後の一杯から歩いて帰るつもりです。この街では、ラーメン屋より先に地下鉄が終わるからです。最後の夜は定山渓へ。通りのお湯にいつでも入れる町で過ごし、翌朝は宿のバスに街まで送ってもらいます。

この記事の筆者は、紹介したホテルに泊まっておらず、書いたエリアも訪れていません。 事実は下の公式情報によるもので、2026年9月30日に確認しました。

  • 札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ) — 長さ、出入口、時間、造られた理由:sapporo-chikamichi.jp/about/
  • 札幌市交通局 — 南北線の所要時間と距離、すすきの駅の時刻表(2026年8月1日改正):city.sapporo.jp/st/subway/jikan_kyori/jikan_kyori.html、city.sapporo.jp/st/subway/route_time/h26/n08.html
  • JR北海道 — 快速エアポートの所要時間と昼の本数:jrhokkaido.co.jp/airport/
  • じょうてつバス — かっぱライナー号の時刻と予約:jotetsu.co.jp/bus/kappa_liner/ /かっぱライナー号と快速7・快速8の配布時刻表:jotetsu.co.jp/bus/times/260401/download.html(2026年10月18日確認)
  • スーパーホテル札幌・すすきの — 場所、天然温泉と入浴時間:superhotel.co.jp/s_hotels/susukino/
  • JRタワーホテル日航札幌 — 駅との接続と天然温泉:jrhotels.co.jp/tower/
  • ホテルビスタ札幌[大通] — 場所と客室:odori.hotel-vista.jp
  • 定山渓 鹿の湯 — 歴史、送迎バス、交通:shikanoyu.co.jp/about、shikanoyu.co.jp/shikanoyu/access/
  • 写真:札幌駅は RJD(CC BY 3.0)、大通公園は ノボホショコロトソ(CC BY 4.0)、定山渓は Selixshiraii(CC BY-SA 4.0)、雪の通りは aokomoriuta(CC BY-SA 3.0・札幌駅の北側で撮影)。いずれも Wikimedia Commons。トップの画像はAIで作ったイメージで、このページの宿の写真ではありません
  • すすきのの深夜の営業時間、小樽への列車、定山渓の手湯は、すすきの・小樽運河・定山渓の各記事に載せた公式情報によります。

札幌のほかの記事

  • 札幌市時計台 — 1881年の時計が鳴らす毎正時の鐘を、向かいの無料テラスで聞き、南へ狸小路まで歩くために
  • すすきの — 14席のカウンターのジンギスカンから、古い横丁の味噌ラーメンか、真夜中のパフェまでの夜のために
  • 小樽運河 — 日没直後に倉庫の上の空が青く染まる時間と、昼か夜のクルーズのために
  • サッポロビール博物館 — 煙突の赤い星の由来と、日本語のガイドツアーだけで飲める復刻札幌製麦酒のために
  • 定山渓温泉 — 通りにある無料のお湯のために。かっぱの手湯、足湯、温泉たまごが作れる源泉
札幌ガイドの6本をすべて見る

ほかのエリアを見る

  • 北海道 — 札幌 · いまここ
  • 関東 — 箱根
  • 北陸 — 金沢
  • 甲信東海 — 富士五湖
  • 関西 — 奈良
  • 中国 — 広島
  • 九州 — 福岡
  • 沖縄 — 那覇
北陸北陸関西関西中国中国関東関東北海道北海道沖縄沖縄甲信東海甲信東海九州九州New ChitoseNaritaHanedaChubuKansai IntlFukuokaNahaNew ChitoseNaritaHanedaChubuKansai IntlFukuokaNaha