切妻屋根の赤レンガの建物の正面と、赤い星の描かれた背の高いレンガの煙突

札幌 / ガイド

サッポロビール博物館は、日本語がわかるならツアーで

サッポロビール博物館サッポロビール博物館

サッポロビール博物館は、もう無料ではありません。いまは自由見学が大人1,000円、試飲付きのガイドツアーが2,000円です。ツアーの案内はすべて日本語。その日本語で聞けるなら、倍の料金を払ってでもツアーを選んでください。6Kの映像で開拓の歴史をたどる「サッポロシアター」を体験でき、開拓使時代の味を再現したツアー限定の「復刻札幌製麦酒」を飲めるからです。

ただしツアーは予約制で、原則として月曜日にはありません。ツアーのない月曜日なら、予約のいらない自由見学へ。赤レンガの建物を3階から1階まで下りていく一方通行の順路で、スマートフォンで聴く音声ガイドがつき、最後は試飲ホールに出ます。音声ガイドの名前は「The Story of SAPPORO BEER ~星を追う羅針盤~」。名前に入っている星は、外のレンガの煙突にも赤く描かれています。

煙突の赤い星

館に入る前に、煙突を見上げてください。レンガの煙突に描かれた赤い五つの角の星は「五稜星(ごりょうせい)」と呼ばれ、北海道を開拓した開拓使のシンボルマークでした。モチーフは北の夜空に輝く北極星で、かつては開拓使や屯田兵の制服の胸に輝き、開拓使の船の旗にも赤く染め抜かれていたといいます。

ビール会社のマークだとばかり思っていたこの星が、もとは開拓に挑んだ人たちの制服の胸にあった。調べていて、いちばん意外だったのはそこです。サッポロビール園のサイトは、厳しい環境の中で開拓に挑んだ先人たちにとって、輝く北極星は「確かな道標であり、希望の星でした」と書いています。その星が、1876年に誕生した開拓使麦酒醸造所から、いまのサッポロビールへ受け継がれてきました。

博物館と、隣に立つサッポロビール園の開拓使館は、どちらも明治時代の建物として北海道遺産に指定されています。博物館の赤レンガには、北海道開拓期に製造が始まった江別産のれんがが使われています。

3階から下りていく

明かりのついたガラスケースに並ぶ、赤い星のラベルの古い茶色のビール瓶3本
展示されている昔のサッポロの瓶。どのラベルにも星があります。写真:MIKI Yoshihito / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

見学は上から始まります。エレベーターで3階の見学ルートへ上がり、そこからはスロープと階段で2階、1階へと下りていくだけです。館内の15か所で、自分のスマートフォンとイヤホンで物語を聴きます。スマートフォンは無料で貸し出しもあります。

ようこそさっぽろ(札幌観光協会)が紹介している展示のうち、私が見てみたいのは、2003年まで実際に仕込みに使われていた巨大なビールの煮沸釜です。「あまりの大きさに見とれてしまうほど」だそうです。ほかにも、歴代のサッポロビールがずらりと並ぶ展示や、黒ラベルと名付けられた由来の話が紹介されています。

雪の積もった赤レンガの建物の前に積まれた、文字の書かれた木の樽
赤レンガの前に積まれた、麦とホップの言葉が書かれた樽。写真:Ruth Hartnup / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

調べていて何度も立ち止まったのは、敷地で大樽に書かれているという「麦とホップを製すればビイルとゆふ酒になる」という言葉です。似た言葉は隣のビール園の入り口にも掲げられていて、サッポロビール園のサイトは、大事なのは「製すれば」の部分だと説明しています。麦とホップに手を加えれば、たちどころにビールになるわけではない。その「すれば」に、つくることの難しさと先人たちの情熱が隠れている、というのです。

行くなら、閉館間際は避けてください。最終入館は17時30分、試飲ホールのラストオーダーは18時で、席を使えるのは30分までです。

最後は試飲ホール

順路の出口は、1階の試飲ホールです。館内は一方通行なので、試飲ホールだけの利用は控えてほしいと博物館は書いています。選べるビールは3種類。1杯だけなら、観光協会が「ここでしか味わえない」と紹介する開拓使麦酒にしてください。飲み比べたいなら、黒ラベルと北海道限定のサッポロクラシックが並ぶ3種の飲み比べセットがあります。

ツアーを選ぶなら

ツアーは約55分で、1回の定員は16名。6K映像の「サッポロシアター」で開拓の歴史を振り返り、ブランドコミュニケーターの解説を聞きながら展示を見て、最後はツアー専用のプレミアムラウンジで、大人は2杯を試飲します(小学生はソフトドリンク1杯)。そのうちの1杯が「復刻札幌製麦酒」で、観光協会は「フルーティな味わいの後にホップの苦みを感じる濃厚な一杯」と書いています。もう1杯は黒ラベルなので、2つの味の違いを比べられます。予約の締め切りや休みの日は、「出かける前に」の表で確かめてください。

夕食は隣でジンギスカン

山型の鉄鍋で羊肉と野菜が焼かれ、トングで返されている。横には生の羊肉の皿
山型の鍋で焼くジンギスカン。写真:pelican / CC BY-SA 2.0(Wikimedia Commons)

隣の開拓使館は、1890年に製糖工場として建てられ、1965年までは製麦工場として使われ、1966年からはサッポロビール園になっています。レストランで出しているのは、北海道のジンギスカンです。

博物館のあとに夕食をとるなら、街へ戻るより、隣へ歩いてください。ビール園は21時まで、博物館が閉まってから3時間開いています。開拓使館のレストランを選べば、この記事で読んできた赤レンガの建物の中で食事ができます。

出かける前に

開館時間11:00〜18:00(最終入館17:30)。12月31日を除き年中無休(臨時休館あり)。試飲ホール11:00〜18:30(L.O. 18:00)。ミュージアムショップ11:00〜19:30
自由見学大人1,000円、中学生〜20歳未満500円、小学生以下無料。予約不要。約15〜30分(音声ガイドを使うと15〜40分程度)。音声ガイドは日本語・英語・韓国語・中国語、自分のスマートフォンで(無料の貸し出しあり)
ガイドツアー日本語のみ。約55分・大人は試飲2杯つき(小学生はソフトドリンク1杯)・定員16名。大人2,000円、中学生〜20歳未満1,000円、小学生無料。未就学児は参加不可。月曜日は休み(月曜が祝日なら実施し、翌火曜日が休み)。初回11:30。WEB予約は当日の朝9:30まで、空席があれば当日ツアーデスクで開始20分前まで
北海道在住の人道民特別料金あり(自由見学は大人700円・中学生〜20歳未満200円、ガイドツアーは大人1,700円・中学生〜20歳未満700円)。北海道在住を証明する顔写真付きの身分証明証が必要
試飲ホール黒ラベル450円、サッポロクラシック450円、開拓使麦酒550円、3種飲み比べセット1,200円。席の利用は30分まで。車・自転車などを運転する人と、妊娠中・授乳中の人はノンアルコールビールかソフトドリンク
行き方北海道中央バスで札幌駅から。北口2番のりばの「札幌駅北口」から[188]、または南口・東急百貨店南側の「札幌駅前」から[環88]に乗り、「サッポロビール園」で下車すぐ。JR苗穂駅の北口から徒歩約8分、地下鉄東豊線の東区役所前駅4番出口から徒歩約10分
サッポロビール園隣接。11:30〜21:00(L.O. 20:40)。12月31日休み

2026年9月29日に確認。

サッポロビール博物館で私ならこうする

星の由来を知ったいまは、この博物館に午後を丸ごと使いたいと思っています。ツアーの実施日なら予約して、6Kのシアターで開拓の話を見て、「復刻札幌製麦酒」と黒ラベルを飲み比べます。ツアーのない月曜日に当たったら、音声ガイドで星を追いながら3階から下り、試飲ホールで開拓使麦酒を1杯。どちらの日も、夕食は隣の赤レンガの中です。

この記事の筆者は、サッポロビール博物館を訪れていません。 事実は下の公式情報によるもので、2026年9月29日に確認しました。

  • サッポロビール(サッポロビール博物館) — 自由見学、音声ガイド、料金、道民特別料金、ガイドツアー、試飲ホール、お酒を飲めない場合の決まり、開館時間、行き方:sapporobeer.jp/brewery/s_museum/kengaku/、sapporobeer.jp/brewery/s_museum/access/、sapporobeer.jp/english/brewery/s_museum//北海道遺産、スマートフォンの貸し出し:sapporobeer.jp/brewery/s_museum/
  • サッポロビール園 — 有料化、煙突の星とその由来、1876年の醸造所、開拓使館、江別のれんが、麦とホップの言葉、レストランの営業時間:sapporo-bier-garten.jp/other/museum/、sapporo-bier-garten.jp/history/
  • 札幌観光協会(ようこそさっぽろ) — 煮沸釜、歴代のビールの展示、黒ラベルの名前の由来、大樽、ガイドツアーの内容、開拓使麦酒、復刻札幌製麦酒の味:sapporo.travel/spot/facility/sapporo_beer_garden/
  • 写真:トップの写真は Adam Jones(CC BY-SA 2.0)、瓶は MIKI Yoshihito(CC BY 2.0)、樽は Ruth Hartnup(CC BY 2.0)、ジンギスカンは pelican(CC BY-SA 2.0)。いずれも Wikimedia Commons
  • 有料になったのは2026年7月からです。

札幌のほかの記事

  • 札幌市時計台 — 1881年の時計が鳴らす毎正時の鐘を、向かいの無料テラスで聞き、南へ狸小路まで歩くために
  • すすきの — 14席のカウンターのジンギスカンから、古い横丁の味噌ラーメンか、真夜中のパフェまでの夜のために
  • 小樽運河 — 日没直後に倉庫の上の空が青く染まる時間と、昼か夜のクルーズのために
  • 定山渓温泉 — 通りにある無料のお湯のために。かっぱの手湯、足湯、温泉たまごが作れる源泉
  • 札幌の宿 — 夜をどこで終えるかで泊まる場所を選ぶために。最後の一杯ならすすきの、朝の列車なら駅、1泊は定山渓
札幌ガイドの6本をすべて見る

ほかのエリアを見る

  • 北海道 — 札幌 · いまここ
  • 関東 — 箱根
  • 北陸 — 金沢
  • 甲信東海 — 富士五湖
  • 関西 — 奈良
  • 中国 — 広島
  • 九州 — 福岡
  • 沖縄 — 那覇
北陸北陸関西関西中国中国関東関東北海道北海道沖縄沖縄甲信東海甲信東海九州九州New ChitoseNaritaHanedaChubuKansai IntlFukuokaNahaNew ChitoseNaritaHanedaChubuKansai IntlFukuokaNaha